カキは海水中の成分を蓄えて育つ

よく「カキにあたる」といいますが、なぜそのようなことが起こってしまうのでしょうか。それはほかの貝類に比べて、

  • カキが海水を大量に濾過してその成分を体内に蓄える性質を持つこと(養殖段階の理由)
  • 生で食べられる機会が多いこと(流通・調理段階の理由)

の2つに主に関係しています。

カキは毎日とんでもない量(カキの大きさにもよりますが、1日に300~400リットル!とも)の海水をエラからとり入れ、その中に浮かんでいる植物プランクトンを昼も夜も休みなく体に取り込んで育ちます。

植物プランクトンにはいろいろな成分が含まれ、カキはその成分を貝内部、特に消化器官(中腸腺など)に取り込んで濃縮します。
→きわめて多量の海水を取り込む=成分を濃縮して蓄える=美味しい
この関係から「あたる確率」が高まってしまうのです。(ちなみに、カキのこのとてつもない量の海水をとり入れることから、「カキによる海水の浄化作用」への期待もあります。)

アレルギー反応は人によっても、体の状態によってもいろいろですし、これといった一定の反応を起こす成分が共通に決まっているわけでもありません。人によっては良いとされる成分に反応してしまう人もおられるわけです。

定期的な検査と対策

食中毒症状を引き起こす原因として知られているのは「貝毒、細菌、ウイルス(特にノロウイルス)」ですが、どの原因もカキが育った海域の海水の状態と関係しています。

貝毒」は、貝が捕食する海水中の有毒プランクトンを蓄積した動物性自然毒です。カキは主にプランクトンを餌にしており、特定の種類のプランクトンが持つ毒素を一緒に吸収してしまうことがあります。はじめから貝が毒を持っているわけではありません。貝にしてみれば、極めて迷惑な話です。

カキを養殖する海域について定期的に徹底した検査を行い、貝毒が規定以上発見されるとすぐに出荷停止とし、市場に出回らないようにしています(残念ながら貝毒は菌やウイルスと違い、加熱しても死滅しません)。

北海道での検査結果は北海道ぎょれんホームページ「北海道産かき安心情報」などで公開されています。
そして生産者は、出荷前に浄化された海水で浄化処理や滅菌処理をすることで、人体に影響のないとされる状態で市場に出荷しています。

●北海道ぎょれんー北海道産かき出荷体制

北海道かき生産漁協連絡協議会では、北海道で生産する「かき」を安心して召し上がっていただくため、次の条件で「生食用かき」を出荷しております。

  1. 北海道内の漁協は、「生食用かき」を出荷する場合には、最低週1回以上のノロウィルス検査を行ないます。
  2. 検査の結果、「陽性」と判定された海域から出荷する場合、または、検査を行なわずに出荷する場合には、「加熱料理用」と表示したします。
  3. 検査の結果、「陽性」と判定された海域で、「生食用かき」を出荷再開する条件は、判定された日から1週間後の検査で、「陰性」と判定された日からとします。
  4. 海域毎の検査結果は、北海道ぎょれんホームページ「北海道産かき安心情報」に掲載いたします。

調理段階の注意

細菌は自然界のどこにでも存在しますが、生食用のカキの場合には生産段階でも流通段階でも十分な対策を取るようにしています。ただ保存が不適切だと残った少量の菌が増殖してしまうことがあります。
すべての食材について言えることですが、”生”で食べる場合は特に注意が必要です。

加熱用のカキについては調理する場所、人の衛生管理レベルによっては、調理する段階でウイルスや菌が混入したり増殖してしまうこともありますので、食材としての保存方法調理の仕方などに注意を払うことが必要です。
腸炎ビブリオ、大腸菌などの細菌は、十分に加熱することで食中毒を避けることができます。